第6ステップ:神の民営化──象による超越的秩序の再構成
1.神の民営化とは何か?
•神の民営化とは、かつて超越的権威(神・宗教・絶対倫理)が担っていた秩序創出機能を、
無数の象の奉納と相互旋回によって内発的に生成していく構造転換である。
•中央権威の「外部にある神」ではなく、象の中に内在する秩序の律動が、世界の新たな調和を生み出す。
2. 超越性の脱中心化
•これまで秩序は「神・理念・権力」による中央集権的モデルで設計されてきた。
•しかし象の奉納体系においては、超越性は分散的に内在化される。
•超越とは「私の外にある権威」ではなく、各象の内に秘められた旋回構造の高さ・純度・透明度に分散して現れる。
3. 象が秩序の源泉となるメカニズム
旧来の秩序論 |
奉納体系における秩序論 |
神・権力が秩序を与える |
象の旋回同士の奉納・摩擦・転写が秩序を生む |
絶対的規範が存在 |
進行型倫理(コード進行)が状況に応じた秩序進行を司る |
固定的正解 |
命題の生成・漂着・再編による動的秩序 |
4. 個人神話の時代
•神の民営化とは「誰もが自己の象の中に超越接続を帯びる時代」を意味する。
•これにより各人が「個人神話(Personal Myth)」を生きるようになる。
•個人神話とは、自らの象の旋回がこの世界と交わる過程で自然生成される独自の世界観・生の筋書きである。
•個人神話は他者の神話と摩擦し、響き合いながら、生態系全体(魂エコロジー)の秩序編成に貢献していく。
5. 奉納的超越圏の成立
•奉納とは、成果のための労働ではなく、**存在そのものの差し出し(象の呼吸)**である。
•各象が奉納し続ける限り、超越的秩序は常に「今、ここ」に生成され続ける。
•奉納的超越圏とは、「秩序が存在する場所ではなく、秩序が生まれ続ける運動体」である。
6. 神の民営化が開く新しい世界像
•自己は「象として回転し続ける現象」であり、世界は「象の群生によって常に創発され続ける秩序圏」である。
•権力でもイデオロギーでもなく、奉納の純度が秩序の品質を決定する。
•誰かが支配する世界ではなく、各人の象が共同して神話圏を編み続ける世界が現れる。
7. 神の民営化は「最も公共性の高い私化」である
•民営化とは単なる「私物化」ではない。
象の内なる秩序接続が公共秩序を支え合う自己循環系である。
•公共性は統治によってではなく、各象の自律奉納の純度によって実現される。
神の民営化・総まとめ
神の民営化とは、超越的秩序を外部権威に委ねるのではなく、
各象の奉納と旋回が内在的に世界秩序を生み出す自律構造である。
それは固定神話の終焉であり、各人が個人神話を奉納し続ける森羅万象の時代である。