いつもの風景が変わる瞬間

vanishing point

PHILOSOPHYT(時間)=関係性

絶対的な時間は存在せず。
生命はまるで一枚の織物のように数多の時間で編まれ。

あなたは時間でできている

過ぎ去ったあの日は今ここと繋がりこの身体に映る。
まだ見ぬあの日は今ここと繋がりこの身体に映る。

あなたが夕日を見る時、あなたと太陽の間に深い郷愁を込めた時間が流れ。
あなたが恋人を見つめる時、二人の間には長い抱擁にも似た温かな時間が流れ。
あなたがあの日聴いたピアノの音色はあなたと歓喜という時間で繋がった。

あなたが幸せな時、きっとあなたは気持ちの良い時間をたくさん持っていた。
あなたが泣きたくなった時、きっとあなたは悲しい時間を持っていた。

時間は流れない。

あなたを中心に無指向無限に広がりその先で必ず何かと繋がっている。
二極間を繋ぐ時間の琴線は常に振動し協和音を奏でる。

あなたの心はこの時間の数だけ存在する。
そしてそれぞれが思い思いの脈を打ち、心が創りだす空間に
あなたという確固たる生命が映し出される。

もしあなたがこの無数に存在する時間の一つ一つを大切にすることができたなら
もっと自分を愛せるようになるかもしれない。

優しい時間で編まれた世界はきっと素晴らしい世界だ。

BEYOND FREEDOM自由に満ちた身体が誘う
心躍る毎日

BODY & MIND TUNING体と心のチューニング

その音は意識の外側で小さく鳴った。

音は心という光の中を漂い、心という闇の中で揺蕩ううちに
奔放に重なり、思い思いの音色で聴き慣れたブルースを刻み始める。

苦味を帯びた悔しさ
放り出されたような孤独
切り裂かれるような失望
あの瞬間に感じた痛み
漠然とした憂鬱

身体に染み付いた痛みを伴うリズム
意識の中に広がる群青色の思い出と感情の渦

僕らはブルースを抱きしめながら
記憶の中の音の軌跡を辿る。

仄暗いまどろみの中で見つけた原初の音。
そっと手を差し伸べ澄んだ眼で微笑みかけると
痛みを伴う郷愁は嬉しそうにほころんだ。

そして世界に無垢な安寧が訪れる。
音は次第に虚な波に変わり空間に溶けていった。

PLURIVERSE ANATOMY多元的な解剖学

静寂を見つめていると浮かび上がる世界。
多元に広がる時間の束が写る水面、揺らぎ動き留まらず。
事象に因果はなくただ時間の束だけが折り重なるように混在する。

境目はあるようでない。

時折 瞬くように起こるノイズは時間たちが生きている証。
幾重にも重なり混ざり合った時間は一つの象を紡ぎ出していた。

空間の中に漂う時間を掬い上げ、一つ一つを選り分ける。
じっくりとその糸のように細い時間を眺めていると浮かび上がってくる物語。

物語が語りかけるままを観察し、そっと子供をあやすように触れていると
時間は艶やかに、柔らかに変化する。

あたかも完璧に調律された弦楽器の音色のように。

この世に真実は存在しない。
ただ私は、ここにはそれに近いものがあるように思えてならない。

それは独りよがりの錯覚かもしれない。
しかし、そこには時間たちの脈動が、手触りが、私に命を感じさせる何かが確かに存在する。

きっと私はこの場所から世界を観ることが好きなんだと思う。

TOPOLOGICAL TUNING不可視領域のチューニング

折り重なる世界 未分化の園
抽象の果てで出会う 誰でもない我 我でもない誰

複雑な相互主体性、循環的時間、
究極的統合によって構築された中心の無い円環

時折 表象と深象は韻律を生み、生死に与えられた器の中で
重なりながら繰り返す


生命の韻律から意識をゆっくり切り離し浮かべてみる

意識は世界の開在性を謳歌するように、
世界のウネリの中を泳ぎながら
自分が何者でもないということに安堵した


〝生きている〟

きっとそれはそういうことなんだろう。
不定形な意識は有限な無形を愉しみながら
象の涅槃原則に身を委ね、
次第に外殻を失い全体性に帰結する。


絶対的意味の消失 形相からの解放を謳う

PHENOMEGRAPH 式守

それは渦から始まった

渦は回る 宇宙の記憶に浸された水を孕みながら

渦は巡る 形相と質料のまにまに

渦は旅をする 彼岸の彼方を飛び越えて

渦は交わる そして響きあう

渦は洋々に やがてそれはウネリとなり世界を覆う

星を彩る無垢で取り留めのない 安らぎに満ちた象の揺らぎ

何にも縛られていなかった頃の姿
そこにはあるがままの自然が横たわる

tsukumo-99- 道具のチューニング

語りかけてくるモノがいる

ジッと見つめているモノがいる

トントンと肩を叩くモノがいる 

シクシク泣いているモノがいる

プンプン怒っているモノがいる

小さな声 かぼそい視線 存在の揺らぎ

意識で掬い上げてみると確かに感じる生命の息吹

ただただ愛おしい

情動が喚起されるような交わりの響像

気がつけばそこにある モノたちが紡ぎ出す甘美な世界

多相世界の風景

point at infinity

Lab

象遊社

宇宙は〝問い〟から生まれ〝問い〟によって広がっていく。

象遊社とは、様々な命題を多元的な視座で捉え、それぞれの体験に基づいた仮説を構築し、その実践過程を社会実装可能なフィクションとして社会に紡ぎ出していく社会実験アート集団です。

世界に問い続けることによって起こる揺らぎの中に見る新しい世界の景色。

問いの向こう側のまだ見ぬ世界を目指して。

Profile

ENKAN代表 柳木 俊介

中国雲南省中医大学卒業。
在学中から呂光栄老師をはじめとする多くの中医師の元、中医学(鍼灸、 漢方、推掌、気功)の修行を重ねる。
卒業後、一年半の雲南省中医医院での実習を経て2013年に帰国。
その後、独自の研究を重ね中医学、現代医学、気功を融合させた療術、“身体調律”での施術活動を開始。
現在、東京、長野、新潟を中心に治療活動を展開中。

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